ウェーブコントロールとは?
リーグ・オブ・レジェンドにおいて、プレイヤーの”上手さ”を決定づける要素は何でしょうか。
多くのプレイヤーは、チャンピオンの操作精度(ミクロ)による、華麗なキルシーンに目を奪われがちです。勿論そういった操作精度も、上手さの要素の1つになりますが、
高レート帯のプレイヤーはそういった操作面で相手を圧倒しているのではなく
ミニオンウェーブ管理、つまりはウェーブコントロールの技術で相手と差をつけていることが殆どです。
「対面をソロキルしたはずなのに、なぜかゴールド差がつかない」
「自分だけがいつも敵ジャングラーの標的になってしまう」
こうした悩みは、すべてウェーブコントロールの理解不足にあります。
今回はLoLにおいて重要な、「ウェーブ管理」だけでなく、「ミニオンウェーブ」とは何なのか、を解説していきます。
この記事では、具体的なテクニックに入る前に、ウェーブコントロールの本質的な定義、それによって得られる利益、そしてミニオンが動く法則について解説していきます。
なんとなくミニオンを触ってしまっている人は、それだけで損をしてしまっています。
ミニオンを意識して触ることはウェーブコントロールに直結することなので、本記事で是非理解していきましょう。
1.ウェーブコントロールとは
ウェーブコントロール(ウェーブ管理)とは、「ミニオンに与えるダメージ」や「ミニオンのターゲット(アグロ)」を意図的に調整することで、ミニオンウェーブの『位置』と『規模(数)』、『移動する速度』を自分の思い通りに操る技術のことです。
プレイヤーが全く手出しをしなければ、ミニオンウェーブは同数の状態でレーンの中央でぶつかり、お互いのミニオンを攻撃し合うことになります。
ミニオンのステータスはチームの平均レベルや獲得できているタワーの数に応じて上昇しますが、ゲーム序盤ではそこまで大きな差が出来ることはないので、
プレイヤーが介入することでミニオンの流れをコントロールすることが出来ます。
2. ウェーブコントロールによって得られる利益
ウェーブコントロールを身に着けることができるようになると、単なるCS差だけでなく、ゲーム全体に有利を波及することも出来るようになります。
① 安全性の確保
自陣タワーの近くにウェーブを留めることができれば、敵ジャングラーがガンクを成功させるための距離が短くなり、生存率が飛躍的に高まります。
逆に相手はCSを取るために自タワーから遠く離れた位置でCSを獲得しなければならないため、「ジャングラーのガンク」というプレッシャーを受け続けることになります。
② ゾーニングとディナイ
ウェーブコントロールを習得できれば、相手の成長を止めることも可能です。
• ゾーニング: ダメージトレードを上手く行えた後、フリーズウェーブ(次の記事で解説)などを作り、相手を経験値取得範囲外へ追い出したり、CSを獲得できない位置まで追い詰めてプレッシャーをかけることで、ゴールド、経験値の差を作り出せます。
これはトップレーンでみかけられるシーンの1つですね。
• CSの焼却(ディナイ): 敵がリコールしたタイミングでウェーブをタワーに押し付けることで、タワーにミニオンを処理させ、相手が得るはずだったゴールドと経験値をタワーの攻撃で損失させることが出来ます。
③ 行動権の獲得と「チートリコール」
これはトップレーンやボットレーンで行われる技術の1つです。
次回以降詳しく解説しますが、大きなウェーブをつくり、相手がタワー下でウェーブを処理しているタイミングでリコールすれば、アイテム差をつけて戻ってきて、そのままレーン戦を行うことが可能になります。
これは海外で「チートリコール」などと呼ばれています。
序盤のウェーブ(一般的には3ウェーブ目のキャノンウェーブ)を大量に溜めて相手タワーに押し付け、即座にリコールします。
相手がタワー下でミニオン処理に追われている間に、自分は装備を更新し、HP/マナを回復してレーンに戻ることができます。これにより、相手には何もさせず、自分だけが一方的に有利な状態でレーン戦を再開できるようになります。
④ 戦闘の勝率操作(ミニオンアドバンテージ)
序盤のミニオンの通常攻撃は、無視できないほど強力なダメージソースです。
自分のミニオンが多い状態にすることができれば、相手は迂闊に攻撃ができなくなりますし、有利なダメージトレードを行いやすくなります。
3. ウェーブコントロールを怠ることによる不利益
逆に、ウェーブの状態を無視してプレイを続けることは、自身の首を絞めることになります。
①フリーズウェーブ
これが1番大きなリスクとなります。
ウェーブの状態を考えずに中途半端な攻撃を加え、敵タワーの手前でウェーブが止まってしまう(フリーズされる)と、最悪の状況を招きます。
ガンクのプレッシャーを受けながらレーン戦を行わなければいけませんし、体力が減った状態でフリーズされてしまうとCS、経験値の獲得すらも難しくなってしまう可能性があります。
②過剰なフリーズのリスク
一方で、自分がフリーズし続けることにもリスクはあります。レーンをフリーズしている間、相手は「自由に動く権利」を得る可能性があります。
対面がCSを諦めて他レーンに向かった場合、自分のチームは数的不利を背負うことになります。特にゲーム中盤以降では、オブジェクトがどんどんと出現してくるのでフリーズよりもプッシュして主導権を取ることが重要視される場面も多々あります。
③致命的な経験値ロス
逆にミニオンに攻撃しないことも問題です。
大きなウェーブを相手に溜められてしまい、その際タワーダイブをされてしまうと大量の経験値とゴールドの損失が発生します。
これはトップレーンとボットレーンのサイドレーンでよくあります。
適度にミニオンを攻撃して、ミニオンを間引くこともウェーブコントロールの技術のうちの1つになります。
4. ウェーブが動く根本的な法則
具体的なテクニックを習得する前に、「なぜミニオンウェーブは勝手に押したり引いたりするのか」という法則を理解する必要があります。
これを知ることで、ウェーブがどういった形になるのかの予測が可能になります。
① ウェーブの仕組み
両チームのミニオンの数・体力が同じ場合、「自陣に近い側のウェーブが勝ち、反対側へ押し始める」という則があります。
それは「ウェーブの到着時間」の差です。 ミニオンは一列になってベースから歩いてきます。両軍のミニオンが衝突した際、自タワーに近い側は、相手のウェーブが到達する前にミニオンに攻撃を始め、また次のウェーブが戦場に到着するまでの距離が短くなります。
自分たちのミニオンが相手のミニオンが全て到着する前に攻撃するのが分かりますね。
• 自タワー近くで戦闘: 味方のウェーブが早く到着し、戦闘に参加する時間が長くなる → 味方ミニオンが生き残りやすくなる → 相手側へプッシュし始める。
• 敵タワー近くで戦闘: 敵の援軍が早く到着する → 敵ミニオンが勝ちやすくなる → 自分側へ押し返される。
この法則により、中央で均衡しているウェーブ以外は、放っておけば自然と反対側へ押し返される性質を持っています。これを理解していれば、「今は放置しても勝手に相手側に押していくな」という判断ができるようになります。
バウンスウェーブというのはこういった仕組みから成り立っています。
② 数的優位の場合
ミニオンの数に差がある場合、基本的には数が多い方が押します。
「自陣に近い側のウェーブが勝ち、反対側へ押し始める」を覆してプッシュし続けるには、ミニオンの数的有利が必要です。
敵ミニオンより多ければ、ウェーブは止まることなく相手タワーまで押し込まれます。
特に攻撃力の高いメイジ、大砲ミニオンの数が相手のミニオンよりも多ければ多いほど、プッシュの速度が速まります。
• フリーズの条件: 逆に言えば、自タワー前でウェーブを止めておきたい(フリーズしたい)なら、相手のミニオンを自分のミニオンより常に多く残し続ける必要があるということです。
数が足りないと、先ほどの法則により、勝手に相手側へ押し出してしまいフリーズが解除されます。
③ ターゲットの優先順位(アグロの管理)
ミニオンがどの対象を攻撃するかには優先順位があります。
1. 味方チャンピオンを攻撃している敵チャンピオン
2. 味方チャンピオンを攻撃している敵ミニオン
3. 味方ミニオンを攻撃している敵ミニオン
4. タワー
5.味方のミニオンを攻撃している敵チャンピオン
6.最も近い敵のミニオン
7.最も近い敵のチャンピオン
この仕様は非常に重要です。敵チャンピオンに通常攻撃(AA)や対象指定スキルを当てると、周囲の敵ミニオンはターゲットを自分へと変更します。
この時、敵ミニオンは本来攻撃すべき「味方のミニオン」を攻撃しなくなります。
その結果、味方のミニオンのHPが減りにくくなり、意図せずウェーブがプッシュされてしまうのです。
つまりは敵へのハラスをおこなうと、ウェーブがプッシュされる形になりやすくなる、ということです。
逆にこの習性を利用して、敵ミニオンのターゲットを意図的に自分に向けさせるテクニックもあります。
5. まとめ
ウェーブコントロールとは、目の前のミニオンを倒すことではなく、30秒後、1分後のレーン状況を確保する技術になります。
「今ここでスロープッシュを始めれば、3ウェーブ後にタワーダイブができる」 「今ここでプッシュすれば、相手がタワー下で処理している間にリコールして、アイテム差をつけて戻ってこれる」
このように、すべての行動に意図を持つことが、上級者への第一歩となります。
操作精度で勝てない相手やマッチアップでも、このウェーブコントロールを覚えることが出来れば辛い時間を耐え抜いたり、逆に勝つことも可能になります。
次回は、これらの法則を応用した具体的な4つのウェーブ形態、 「プルウェーブ」「スロープッシュ」「ハードプッシュ」「フリーズ」 について、それぞれの特徴と具体的な作り方を詳しく解説していきます。